センターサークルのその向こう-サッカー小説-

パブーでまとめ読み
  1. HOME
  2. 連載作品
  3. サッカーコラム
  4. 23人考察。

サッカーコラム

23人考察。

<blockquote>GK 楢崎 川島 川口
DF 中澤 闘莉王 今野 岩政 駒野 長友 内田
MF 俊輔 遠藤 憲剛 稲本 阿部 長谷部 本田 松井
FW 岡崎 玉田 大久保 森本 矢野
</blockquote>


川口は驚きましたね。
ただ、ウルトラCとしてあるかもなーとは思ってました。小笠原や小野よりも経験は豊富だし、ことW杯や五輪など一発勝負での当たりっぷりで言ったらこの人の右に出るものはいないですからね。神がかってますよ。そんな川口がチームにいるだけで「俺達には、川口がいる」という安心感は計り知れない。また、控えでも力を発揮しますからね。

しかし、なんかいいなあと思います。
楢崎と川口。
各年代の代表で常に定位置を争ってきた二人。二人は歳も近い。
また、どちらかが常に第1GKというわけではなく、これまでちょうど半々ぐらいなんですよ。長らく戦って来て、最近はヨシカツが代表から外れていたのが、この最後の最後にまた代表入り。そしてまた二人はW杯で代表のゴールマウスを守るわけです。なんか、ゴールデンコンビとは違う、ライバルだからこその熱いなにかを感じずにはいられません。


矢野は正直・・・・。
なぜ?という思いが拭えない。
前田の方がいいじゃんか。
というか、前田はじゃあどうやったら代表に入れるんだよ(笑)欧州遠征でも良いプレーをしていたし、残念です。


でもまあ、まとめると、こんなもんですよね。
これまでの代表の戦いを見て予想した僕のメンバーから、西川、小笠原、前田、石川が外れ、川口、阿部、矢野、大久保が入りました。つまり、23人中19人は同じメンバーなわけです。80%以上は同じだった。僕と岡田監督が別の人物であるという当たり前の事実から導き出される、当然の理論として「100%同じになることはない」という考え方からすれば、80%以上というのは至極真っ当な数値です。要するに、違って当たり前なわけで、その中で言えばむしろかなり順当な結果なんですよ。これ以上文句を言っても仕方ない(まあ、それが楽しかったりもするわけだが)。

そもそも、8年前の中山や秋田の方がよっぽどおかしいですよ。戦術的にはいらないもんw
四年前だって、明らかに松井は必要だった。彼に代わるジョーカーは誰もいなかった。

前田は必要だと思うが、オールマイティにできるといえば確かに森本がいるし、そもそもファーストチョイスは岡崎であり、後半投入で高さが欲しい時は矢野のようなガムシャラな奴の方が相手には驚異だったりする。劣勢に立たされ<strong>パワープレーが必要な時、放り込んだボールに向かっていくならば矢野の方が遥かに適任だ。</strong>


石川は確かに残念。
だが玉田も大久保もいる。
石川は、たぶんセルビア戦で何度かあったビッグチャンスを決めていれば、メンバー入りしていたに違いない。あれを決められないようでは本戦も難しいと思ったのかもしれない。厳しいようだが、玉田は苦しい時に決めてきた実績がある。そもそも玉田は数少ないW杯得点者であり、その中でも数少ないトップコンディションを維持しつづけている選手だということを忘れてはいけない。大久保はあやしいがw いや、岡田サッカーにおける理解度で言えば大久保に軍配があがる。前線からの守備においても、パスワークを担う一員としても。

そして大久保には海外での経験がある。南アフリカなんて辺境の地でサッカーをやることを考えればずっと日本にいる石川はリスクがかなり高い。コンディションが調わず何もできないで終わることだってある。この状況で石川を連れて行くには、唯一、たった一つの特徴をひっぱるしかない。言わずもがな、得点。点を決める、「何か持っている奴」、つまりラッキーボーイになれるかどうかという基準でいけば、石川はセルビア戦で決められなかった。”決めるべき奴が決められなかった”から、石川は選ばれなかった。もしかしたら、怪我が無ければ、あのまま代表に入り続けていたらチームにもフィットして、活躍して、セルビア戦一発で判断されることもなかったかもしれない。が、怪我をしない、タイミングを外さないのも実力のうち。

小野?小笠原?
個人的には必要だと思う。特に小笠原のファイトするスタイル、闘将ぶり、それらを持ちながら長いパスを操れる技術といい、世界においてこれほど頼りになるセントラルMFを手に入れたことは、窮屈そうにしていた中田英寿を除けば有史以来一度もない。ただ、小笠原は試合で結果を残せなかった。ボランチとしてピッチに立たせなかったことは解せないが、ただ、別にサイドバックで出されたわけでもなし、元々本職の二列目に配置されたわけで、そこで決定的な仕事はできなかった。

そして二列目にはじゅうぶんに人材がいる。そもそもスターティングは俊輔、本田、松井であり、控に憲剛、岡崎、大久保がいる。では3列目は?小笠原のスタイルから考えて長谷部の代わりは無理だ。長谷部に万一の事があった場合、タイプはちがえども代役1番手は稲本であり次点に阿部だろう。では絶対的な存在である遠藤の代役は?と言えば、小笠原なら補って余りある活躍が期待できる。が、ただし、中村憲剛がいる。彼でもじゅうぶんに計算が経ち、そして何より明確なのは、<strong>中村憲剛が確実に小笠原に劣するという根拠を示せる人はたぶん日本中のどこにもいない</strong>。そんな中で、小笠原がピッチに立つ可能性はかなり低い(そもそも遠藤が潰れない限り無い)。にもかかわらず小笠原を連れて行くということは、<strong>阿部か今野を外さなくてはならなくなる</strong>。

阿部と今野を残した所を見て、じっくり考えると一つの結論が見えてくる。
もう4度も見ていれば、代表選考の見方というものもある程度わかってくるというものです。
そりゃね、外から見ていれば、あの選手もいるのに、この選手も必要だろとは思います。
しかし、それってどれだけ現実感として考えているのか。
単に選手を比較してあいつの方が良い、こうしたほうがいいと考えても見えてこない。
最も重要なのは、現実として起こりうるシナリオを想像すること。
そうすることで見えてくることは全然変わってくる。


<strong>■日本がリードした時、点をやれない時</strong>
<strong>たぶん、岡田監督はパスサッカーでポゼッション率を高めることを常に選択し続けるサッカーはしないつもりだろう。</strong>つまり、自慢のパスサッカーが分断され役に立たなくなり、劣勢に立たされる事態をかなり高い確率で想定しているに違いない。
そうなった時、サイドバックの攻撃参加などのぬるいことは言ってられない。とくに、強力なウインガーを持つオランダ戦を見据えた時、無理に勝利を狙いに行く必要はない事態もある(そもそも勝たなければならない状況の方がしんどい)。したならば、サイドバックに求めるのはきっちりと守備ブロックをつくりサイドに蓋をしてスペースを消す力であり、しつこく相手にまとわりついてクロスをあげさせない守備力が必要になり、残念ながら長友にも内田にもその力は無い。そこで戦えるのは今野であり阿部だろう。

また、リードして迎えた場合、敵がなりふり構わぬ攻撃をしかけてくる。オランダやデンマークが守備を捨てて攻撃に来た時を想像してみれば、サッカーを知っていれいる人程、冷や汗が止まらなくなるに違いない。その時、バカ正直に自分達のサッカーに固執するのは自殺行為だ。我々はブラジルではないのだから。遠藤を一列上げカウンターに備え、中盤後方に激しくボールを追える守備職人を入れ、強力な守備組織をつくる必要がある。稲本は守備がたつが、彼は間違っても汗をかいてボールを追うことを得意とする守備職人タイプではない。稲本はフィジカルを活かし、敵とのコンタクトプレーに打ち勝つことで中盤の主導権を握るタイプ。やはりここには今野がうってつけ。というより、体格に目をつぶったとしても明神をのぞけば世界を相手にそれを期待できるMFは今野以外に見当たらない。(ちなみに僕は四年前も今野を連れていくべきだと言っている)

また、相手がパワープレーに出てくることもある(というかリードしていれば絶対ある)。
オランダ、デンマーク、カメルーン。全て上背では相手に分がある中で、どんどんとボールを放り込まれたら、それだけで日本のプレスは無効化され、着実に体力を奪われ、ピンチの連続は免れない。そんな時、クロスボールに対して体をはって外に跳ね返すタレントが必要になる。その場合、たぶん、岡田監督は<strong>5バックで戦う選択肢も想定していると思われる</strong>。ゆえに、岩政がメンバー入りしたのかと。単純にセンターバックの控えというだけなら今野もできるし、たとえば徳永をメンバー入りさせてサイドバックとセンターバックの両方で守備固め要因として使うこともできた。しかし、それをせずに岩政を選択したということは、たぶん3バックという事態も想定している故なのではと思う。

<strong>■劣勢にたたされた時</strong>
そして今度は劣勢に立たされた時。
石川より大久保だというのは前述の通り。
世界でのプレー経験が無い石川、怪我があからさまに多い田中達也を、チームにすでにフィットして、Jリーグでも結果を残している大久保を外してまで連れて行くのはリスクがある。(特に大久保は前線からの守備も理解しているし)

そして、パワープレーを選択しなければならなくなった時、岡田監督は<strong>間違いなく闘莉王を前線にあげるだろう</strong>。しかし、当然ボールを放り込む選手が必要になる。遠藤や俊輔が蹴れば良いのだが、彼らが中盤前から後ろに下がってしまうと今度はボールが運べない上に、ゴールから遠ざかってしまうために波状攻撃やミドルシュート、パスという彼らの攻撃力が活かせなくなる。これでは意味が無い。つまり、攻撃力、バランスを崩すことなく闘莉王をあげるためには、後ろから精度の高いボールを送りこめる選手が必要になる。ここで、岡田監督は阿部を投入するのだと思う。

阿部はもともとロングレンジのパスの名手。Jリーグでも小笠原や俊輔、小野に次ぐタレント。阿部はセンターバックもこなせる守備力も併せ持つため、闘莉王の穴を埋めつつスナイパーのように敵が嫌がる場所へしつこくボールを送りこめる。そして見逃してはならないのが、パスを受ける闘莉王と阿部は長らくチームメイトだったということ。これほど相性の良い組み合わせもないだろう。


<strong>■前田が外れた理由</strong>
たぶん、これは本田のためだろう。
前田が入るとすると、これは間違いなくスタメンでしかありえない。きちんとボールを懐に収め、そこからのパスやキープ、ドリブルができる前田の最大の長所。これは、ゲームのスタートから、ゲームメイク、パスワークの確立で活きていく力で、途中出場で活きることはなかなか難しい。途中出場で活きるとしたらそれはチームでボールが保持できていない時。で、たぶん、岡田監督は遠藤、俊輔、本田、長谷部の中盤ならそれは無いと踏んでいるに違いない。もし不安なら前田を入れている。そこを絶対的に不安視することが無い以上、あとは矢野、森本、そして玉田でもじゅうぶんにパスはつながる。

で、前田が1トップに入ると一つの弊害が起きる。
<strong>裏へ抜ける動きがなくなる。</strong>
前田はまったく裏へ抜ける動きが無いわけではないが、しかし、基本的にそういうタイプではないので、その場合、トップ下には裏へ抜けるタイプ(大久保、岡崎)でないと勤まらない。というか、パッサーの多い中盤の場合、裏へ抜ける選手が少ないと閉塞感が出て、パスがつなげなくなる。前田だと前線に蓋ができるので、前田を追い越すタイプの選手じゃなければダメになる。しかし、本田はそういうタイプではない。どちらかというと足元でもらいたがる。すると、これではパスがまわらなくなる。どんなに丁寧にパスをつないでも、カメルーンやオランダの屈強な相手のプレスの餌食になってしまう。ひとたまりもない。ゆえに、本田がトップ下に入る場合、走り回る岡崎、左右に開いてスペースをつくれる玉田が必須となる。前田が途中出場向きでない以上、前田を使うタイミングがなくなってしまった。ゆえに、23人に入れなかったのだろうと思う。


<strong>■阿部、今野、大久保がいない、石川、田中達、小笠原がいる現場を想像してみる
</strong>
石川、田中達の場合、スタメンでは絶対に使えない。
日本代表でのプレー期間が極端に短すぎて、守備組織の構築一つとっても大変。
その状況で松井が、本田が怪我をしたらどうなるか。
玉田か、岡崎か。しかし、どちらも本職ではない。むしろ、前田がいない状況で岡崎のトップ下はまず機能しないし、玉田の左サイドもそのポジションでの経験、中盤としての経験が浅いために構成力に不安が残る。大久保がいれば、卒なくこなすはずのものが、どうしてもそれがいない。その上、中盤の守備が不安にもなる。どうしたって「どうして大久保を置いてきたんだ」となる。石川の場合、それを補って余りあるほどのカリスマ性が必要だった。それが、セルビア戦の得点になるはずだった。

阿部、今野がいなければ、たぶん大変なことになる。
リードしているにもかかわらず、相手のボール保持する時間が長く、中盤で勝負させてもらえない。どんどんとボールを放り込まれ、サイドでの守備も長い時間強いられる。相手を制圧するためにスタートからアクセル全開で走った両サイドバックは後半も半ばになれば疲れも見えてくる。相手の強力なウィンガー相手に必死になってボールに食らいつくもボールがなかなか奪えず、チーム全体の体力ばかりが奪われていく状況は容易に想像ができる。しかし、そこで体をはって実を投げ出し、まとわりつくようにしつこくボールを追い、激しい守備ができる今野、阿部はいない。中盤の広がったスペースに対し、長谷部は一人で走り回る。そこに今野がいれば・・・・。ベンチには小笠原しかいない・・・。

負けている、闘莉王をあげる。
しかし、守備を気にしなければならないし、俊輔はボールを運ぶために下がってくる。10番、7番の両エースがゴールから遠ざかり、ボールを放り込んでも単発で攻撃が多くなってしまう。そしてカウンターを受け、闘莉王は攻撃に集中できない。たった一人、阿部がいれば、阿部がいればこの事態を改善できる。阿部がいれば、DFラインに入りつつ、自在にポジションを上げ下げしてボールを受け、配給をしながらロングボールが蹴れる。そんな阿部がいなかったら・・・・。



4年前、同じようにシナリオを描いた。
http://katsugendama.seesaa.net/article/17845596.html
正直、遠藤はいらなかったと思う。
そして、松井は必要だったと思った。
そのとおり、遠藤に出番はなかった。
そのとおり、何度も何度も「ああ、松井がいれば」ということがあった。
クロアチア戦なんて、まさしく彼がいれば相手が嫌がり、効果的な攻撃が展開できたのに。

今回は、そういう意味で言うとそのようなシーンが浮かばない。
ジョーカーには森本もいるし、玉田も大久保もスピードやドリブルで全く勝負にならないわけじゃない(というか、そもそも石川も田中達も世界でドリブル勝負に勝ってきたわけでもないし)。誰が来ても、そうそう変わるほどのものでもない。むしろ、そこに固執する余り、阿部を、今野を、岩政を置いてきてしまうとどうなるか・・・・。





岡田監督が絶対に正しいと言いたいわけではないです。
個人的には、前田も、石川も、何より小笠原も必要だと思ってますから。
しかし、岡田監督のシミュレーションがあるとしたら、それはそれで確かに理にはかなってるなと思ったわけです。

W杯はただサッカーがうまいだけで勝てるものではないですから。
国全体のサッカーに対する姿勢が問われる大会です。
メンタル、技術、育成システム、価値観全て。
全力で応援します。

後日、岡田監督の是非と、カズの選出希望について書きます。
でも、予定は未定です(謎)

最新エントリー







小説書いてます

同じカテゴリの最新エントリー

シェアする

更新情報はSNSで発信しています

Twitter

@kiyonaga_keiji

Facebookページ

センターサークルのその向こう―サッカー小説―Facebookページ

コメント