センターサークルのその向こう-サッカー小説-

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サッカーコラム

岡田監督の是非。

とりあえず、僕は岡田監督は嫌いではありません。
大好きでもないけど、好きか嫌いかでいえば好きな方だと思います。
また、日本人監督としては押しも押されぬナンバー1だとも思っています。
対抗は西野監督ぐらいか。山本監督はJリーグで全く結果を残せてないし、トンチンカンな采配ばかりしているし、”代表監督”としては反町監督は五輪で大失敗したし。(反町監督はクラブ向きなんでしょうね)

で、なんで岡田監督が嫌われているのかを探してみたんだけど、論理的に根拠のある批判をしているのがどうしても見つからないw (それ以前から見ていた批判はどれも感情的なものばかり)

うーん。
たとえばこれとか?
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/suzukitomo11/article/3

�就任理由      
�マスコミ対応の下手さ    
�選手選考の遅さ 
�マッチメークの悪さ  

うーん。
どれも感情的だなー。
あとは言い訳が多くて男らしくない、とか?


<strong>■オシムが何をした?</strong>
オシム監督は素晴らしい監督だと思いますし、志半ばで終わってしまったことは大変残念です。が、今と比べてそんなに凄いサッカーしてましたか?少なくとも僕にはそうは見えない。もしかしたら4年たった今なら素晴らしいサッカーになっていたのかもしれないけど、あの2年前の姿からそれほど劇的で革新的なチームになったとはどうしても思えない。なぜなら、当時ですら、今とそれほど変わるサッカーではなかったから。なんか眠い試合もいくつもあったし、アジア杯だって敗退している。それなりに良いサッカーをしていたと思うけれども、マスコミには叩かれていましたよ。「ペースが単調だ」って。W杯まで2年ある代表チームに何言ってんだと思ったけどwww

彼の代表チームは今より運動量が多くて敵を圧倒し続けた?
チャンスがいっぱいあった?決定力が上がった?守備が安定してた?
いーえー、決してそんなことはなかったですよ。
特に対セットプレイはひどかった。セットプレイでかなり点をとられていたはずです。
そして、守備組織も単純なマンツーマンで、これは多少時代遅れな感があり、その場合、もしかしたら衰えを見せ始めている中澤は代表から外れていた可能性が高い。そして、現状を見る限り、その中澤を超えるタレントがJリーグに見当たらない。恐ろしい話ですのう。

当時、正直にいうとオシム監督は代表監督向きではないのかもしれないと思いはじめていました。理由は単純。メッセージが難しすぎるから。毎日顔を合わせることのできない代表チームでは、彼のアプローチは難しすぎる。


<strong>■そもそも、日本代表ってそんなに素晴らしい?w</strong>
代表への批判っていつも思うけど、一喜一憂してるだけに見えるんですよね。
もう、目の覚めるようなパスワークで敵を圧倒して常に2-0、3-0で勝たなければ納得しないような。そんなチームは世界のTOP3ぐらいで、そのTOP3でも毎試合は無理です。これは本当に間違いなく。力があっても成熟していなければできないのだから。力のない日本代表なんて、そんなの無理無理。

そう考えた時、そもそもさ、日本代表がスペクタクルに溢れた素晴らしいサッカーを披露したことなんてそんなにある?という話で。あったとしてもピンポイントですよ。僕が記憶しているのはファルカンジャパン以降だけど、ビデオで確認したものも含めればドーハ以降となる。けれども、そんな、目の覚めるような素晴らしいサッカーなんて日本代表は数えるほどですよ。

例えば日本代表がW杯で初めて勝利したロシア戦。
そのロシア戦と、その4年前(98年)のクロアチア戦を見比べても、パスの繋がりや支配率、チャンスはたぶんクロアチア戦の方が多かったです。いや、間違いなく。ほんっとうに、クロアチア戦は惜しかった。チャンスがあっても決まらない時は勝てないし、89分完璧に近いレベルで守備をしても、ほんの一瞬やられれば負けてしまう。ロシア戦はほぼ1チャンスを決めて、ピンチを何度も防いだ。クロアチア戦は決定的なシーンがいくつもありながら決めきれず、ほんの1瞬、一つのピンチをシュケルに決められた。勝敗なんてのはある種、時の運ですね。

たぶん、日本代表が大会通して素晴らしいコンテンツを披露し続けたのは、ここ15年ではただの一度だけです。2000アジアカップ。あの大会は強烈な試合がいくつもありましたね。本当に日本代表のサッカーに夢を見ました。トルシエの組織戦術に、それを聞きすぎて自己打開ができない選手たちの中に、バランスをとって自分でコントロールできる名波が入ったことでできた奇跡だと思います。

まあ、あれはスペシャル過ぎたということを考えれば(そもそもあれを目指すべきではない)、結局のところ、できることはできる限りボールを前に運んで、チャンスの数をできる限り多く創るしかない。それは、もうここ10年近く変わらない日本代表のコンセプトです。その結果としてゴールが入れば勝つし、入れられなければ負ける。

そういう目線で行けば、今の日本代表がそれほど悪いかというと、少なくとももう15年以上見続けている僕から見て、そんなことは絶対にない。というか、今より数段良いサッカーを展開し続けたことなど、上記2000アジアカップ以外見たことがない。たとえば、スポットではありますよ。2002vsチュニジア戦であるとか、2004vsチェコ、2004vsイングランド、2004コンフェデvsフランス戦、2005コンフェデvsブラジル戦、2007vsスイス戦。でも、それなら岡田ジャパンにもvsバーレーンだとか、vsスコットランド、vsガーナ、vsオランダなどもあるし。


<strong>■日本サッカーの目指すべきところとは?</strong>
日本人には、個々で打ち勝てる身体能力がありません。
1vs1で敵を圧倒できるような怪物はいません。
すると・・・

・ラインを高く保ち
・走り回りプレスをかけて敵が攻撃に出る前に防ぎ
・高い位置でボールを奪い
・ショートパスの連続でフィジカルコンタクトを避け
・運動量を増やして動き回ることで敵陣にギャップをつくる
・パスを丁寧につないで守備の時間を減らす

ということが、必要になります。
もう、これは98年からずーっと変わってません。
結局、日本人の特性がそうなんでしょうね。やっぱり。

その前提から行くとして、では岡田監督がどの部分が間違っているのか。

・DFラインの高さ → 日本代表のDFラインは高いです ○
・プレス → プレスをかけるための戦術をとってます ○
・高い位置でのボール奪取 → ここは微妙だけど、そんなのいつもそうw △
・ショートパスの連続 → 基本はショートパス ○
・運動量 → 日本代表の運動量はかなり多いです ○
・敵陣にギャップ → シュートちゃんはそれなり △
・パスを丁寧に → どの試合でも日本代表の支配率は高い ○

岡田監督のやっていることって、別に日本サッカーとしては全然間違ってないです。
やろうとしていることはむしろもう当たり前に近い。
では、浸透具合はどうかというと、別に低くもない。
というか、上記の点ができていないなら、たぶん誰しもが突っ込んでいるでしょう(高い位置でボールを奪う、敵陣にギャップを除く)。DFラインを下げすぎ、プレスが全くかみ合ってない、ショートパスがつながってない、全く足が止まっていて動くサッカーをする気がない、というのだったら、たぶんとっくにそこを重点的に叩かれているはずです。

でも、叩かれていません。
それがあればすぐ見つかるはずだし。
要するに、その辺のことはクリアしているんですよ。
それなのに、良い試合ができない。で、これはたぶん、オシムジャパンもそう変わらないし、これまでの代表もそう変わらないです。多かれ少なかれ、我が日本代表はいつもそんなことを言われてるんですよ。攻撃に迫力がない、決定力がない、守備の集中力がない、気持ちが感じられない。ほら、いっつも同じような文句。

それは、もう慢性的に日本代表が抱えてる問題なんですよ。
そして、こと気持ち、メンタルに関しては、これは代表監督一人がどうのこうのできるレベルを超越してます。というか、どちらかというと岡田監督はメンタルを凄く重視する監督であり、選手のメンタルコントロールは割りとうまい方です。日本人にしては(トルシエは凄かったね)。ちなみに、ジーコは選手との信頼関係は素晴らしいが、仏的な人らしくメンタルコントロールはそんなにうまくない。むしろ、ジーコにしてみればW杯なんてメンタル的に最高潮で当たり前なんでしょうけどね。98日本代表はメンタル的に凄く強い代表でした。でもね、その代表だってドーハ組と比較して「おとなしい」と言われていたんですよ。そう、だから、これはこの国全体が抱えたメンタルの問題なんですよ。むしろ、サッカーだけじゃなくて、日本全体が若くなればなるほど、メンタル的な問題、ハングリーな精神ってものが薄れていくでしょ?それがそのまま、日本サッカーに出ているだけです。


<strong>■そこから勝つには?</strong>
メンタルは言わずもがな。
しかし、監督の押し付け的なサッカーを超えて、クリエイティブで、選手自身が自己で発想し、その連続をピッチに表現できるようになること。要するに、プレスだパスだというのはあくまで監督が与える「戦術」であり、それを施行する選手たち自身が、自分で考え、自分で昇華させていく能力が必要ということ。じゃないと、敵陣を崩せないんですよ。機械的に動いているだけじゃ。オシム監督もよく言ってることですが。

そして、岡田監督は、実はそれに取り組んでいる。
で、それははっきり言って成功していない。
だから、攻撃に迫力が出ない。
ただ、これまで書いたとおり、日本代表がそれに成功した前例はない。
あるのは、トルシエだけ。しかし、そのトルシエのサッカーは完全にテンプレートサッカー。自分たちでデザインしたわけじゃない。パターンをいくつか与えて、それを実行しただけ。バレれば必ず頭打ちになり、それを打破するには、優秀なデザイナーが必要になる(=名波)。そして、それでもやはり限界がある。中田英寿も、それは2002にあとに語っています。「もう、型にはめ込むサッカーをしていてはいけない。自分たちで組み立てるサッカーをしないと未来がない」と。

ジーコは、それを「手放しの自由」という方法で与えようとした。
しかし、元来日本人は指示をベースに発想をするタイプであり、そもそもが合わなかった。ほうっておいても自分たちのやりたいようにやるタイプではないのだから。にもかかわらず、彼は守備組織の基本であるDFラインの高さ、プレスの起点すら指示を出さなかった。それでは絶対にまとまらない。ブラジルのようにある意味全員が同じサッカー観を持っているわけではないので、ラインの高さ一つでも個人個人で意見が違うのが日本代表なのです。それはつまり成熟していないということだけど。ゆえに、ジーコジャパンの叩かれ方はほとんどそこだった。プレスがかからない、プレス連携がちぐはぐ、DFラインが低すぎる、足元でもらい過ぎて走れてない。

それに比べれば、岡田監督がその場所で叩かれていないということは、実際のところそこはクリアしているということです(本当にそうだし)。いま、その先にチャレンジしているんですよ。確かにそれが成功していないのは問題。しかし、そもそもいまだかつて誰も成功していないんです。そして、それは岡田監督自身の命題でもあったのです。横浜Fマリノスで2連覇を達成し、リアクションサッカー、基本に忠実な守備ブロック形成型のサッカーから、ショートパスを主体としたより日本人にあったサッカーに取り組んだ。しかし、それは失敗した。まだ、無理だったんですね。選手のレベルが追いついていないと判断した。(実際、やり方を以前に戻したら勝ててしまって、それで退任を決意したそう)

そして、日本サッカーでそれに成功したチームはほとんどない。
パスサッカーといえば、まず初めに浮かぶのは大木監督率いる甲府。
しかし、結局パスゲームになってしまい得点が取れなかった。
結局、そうなってしまう。

その次がG大阪だけれども、G大阪は決してそのほかのクラブにくらべて運動量が劇的に多いわけではない。たぶん、それはオシムがいたジェフだけ。G大阪のベースはまず個人能力ですから。彼らは、Jクラブのブラジルなんですよ。あのサッカーは世界では通用しない。

日本で、自分たちで発想し、アドリブを取り入れたパスサッカーと、高いDFライン、激しいプレスという組織が見事に融合し、チャンスシーンを量産することで相手を圧倒し勝利をしたチームなんて、後にも先にも1つだけです。もうここまで書けばJリーグを観ていた人ならわかりますね。そう、99~02のジュビロ磐田黄金期ですよ。もう、まんまでしょう?あれだけのタレントがいたにもかかわらず、やっていたことは実にシンプルで、1vs1の局面で勝っていたわけじゃない。そもそも、藤田も、名波も、中山も、1vs1が強いタイプではない。たぶん、まっとうにいけば、鹿島の方が強かったはず。でも、Jリーグを席巻し、その驚異的なパスサッカーで鮮烈なイメージを残したのはジュビロ磐田だった。

日本サッカー、日本人に合ったサッカーというのは、たぶんあれです。
鹿島も強いけど、やはり根底に1vs1の強さがある。
逆に言うと、鹿島のようなスタイルなら、すでに日本代表はできている。鹿島同様、同じサッカーを10年以上続けていますから。しかし、それだと格上の相手にはなかなか勝てないのですよ。そうでしょ?あの時(鹿島は今でもいいけど)、欧州トップクラスに挑んでもしかしたら勝てるかもしれないとしたら、どちらを送り出すか。たぶん、ジュビロでしょう。個人の掛け算を超越した何かが、ジュビロにはあったから。

<strong>■そして、では誰ならいいの?</strong>
オシムも、岡田監督も、多少の違いはあれども、間違いなくそこを目指している。
オシムが残っていれば、その問題を解決してくれた可能性はある。けれども、これは日本人が抱えた慢性的な問題であり、そう簡単には解決できないし、それを解決できる監督は世界でも相当限られていて、そして超高額だろう。ヒディンク、モウリーニョ、カペッロクラスで、しかも日本代表に合っている必要がある。日本代表が抱えるには相当難しい。

岡田監督がダメ、代えるべきだという論拠として、ヒディンクやモウリーニョなら~というなら、それは否定しないが、そもそもその論理がもうすでに破綻しているでしょう。オシムですら奇跡に近いのに、ヒディンクやモウリーニョがおいそれと来るわけがない。ヒディンクはもう韓国の監督をしていたころとはバリューが違うのだから。そんなクラスの監督を持ち出して「岡田はダメだ」というなら、そんなものは当たり前であり、本田よりメッシの方が凄いから本田はダメだと言ってるようなもんです。

そして、そもそも基本は選手の能力がベースにあるべきにもかかわらず、日本人お得意の「トップを異常に叩く」では何も変わらない。セルビア戦の後でも書きましたが、岡田監督はそれなりの数、テストをしています。石川にしても、世界のスタークラスであれば絶対に決めているところを外す。それは前田も同じです。むしろ、たった3試合しか出ていないのに、その全ての試合で結果を残してしまう森本が日本人的なスケールでいえば怪物なんですよ。だからこそ、イタリアでやってこれたのでしょう。小笠原や大黒ですらまともに試合に出れない、FWには最も厳しいリーグであるセリエで、彼は一時期でも1トップを担ったのですから。でも、世界にはそんなレベルがごろごろいるわけです。岡田監督にはそんな手駒はない。田中達也程度のドリブラーはブラジル・アルゼンチンだけでなく、メキシコにも五万といる。でも、日本には早々出てこない。田中が怪我をしたら、次がすぐ出てくるわけではない。いや、以前に比べれば興梠や香川が出てくるようになっただけでもマシなんですけどね。

そもそも、日本代表は弱いんですよ。
その中で、岡田監督は戦術的最低限のことはクリアしている。
今は、その次にチャレンジしている、もともと失敗して当たり前の部分です。
だから、これはもう見守るしかないし、変えたところでたぶん誰がやってもしばらくは解決しないです。(オシムだって、代表のスタイルではあやしいと思っています)


岡田監督が男らしくない、というのは、これはもう好き嫌いの嫌いなだけでは?としか思わないですね。根拠がないし。「次はオレ流で」を言い訳と受け取っている話もネットにあったけど、それはちょっとおおかしい。だって、実際あの時はオシム流を引き継ぐといって、それで戦ったんだから。それで負けて「ダメでした。やはり自分流に変える」と言ってるだけです。いや、だから、「それのせいで負けた。おれのせいじゃない」と言ったならわかりますよ。でも、そうじゃないですから。「なんで負けたんですか?」と聞かれているんだから「オシム流を引き継いじゃったから」というのは、それは立派な回答でしょう。そんなもん、監督である以上、全部監督の責任なんだから。その理由を聞きたくないなら、それって初めから質問が成立してないですよ。だって、全部「自分のせいで負けました」としか答えられないんだから。だったら初めから聞くなって話で。


<strong>■まとめ</strong>
個人的には、岡田監督はよくやってると思います。
本田を最終的にきっちりフィットさせたのも岡田監督だし、試合に出ていない稲本を登用して間に合わせたのも岡田監督。岡崎の発掘もそうだし、そもそも内田や長友を代表に抜擢したのも岡田監督。長谷部をガッツり据えたのも岡田監督では?オシムは鈴木啓太だったし。外した選手も岡田監督なら、抜擢したのも岡田監督ですから。そして、あの23人が日本代表にふさわしくないほど力がないかというと決してそんなことはないと思いますよ。大久保も玉田も結果を残してきましたから(玉田はむしろJリーグでの数字は良くないんですけどね)。

僕は、100点満点とは思わないけど、トータルで見れば岡田監督を指示します。
現実的に考えて、あのタイミングで、あの状況で、そして今まで、引き受けられるのは岡田監督だけだったと思います。(それ以下ならいくらでもいるけど)

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