センターサークルのその向こう-サッカー小説-

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サッカー小説

第6話。

その点に関しては大湊も察していたし、これだけの粒が自分の元に集まったのも全ては彼等選手にとって同じ地域にスターが存在したというその運命の不条理によるものだと認識していた。全ては偶然だと。しかし、彼等新入生と接するにつれ、どうも自分の認識のずれを次第に認知するようになる。

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「上手くなりたかったら先生のところへ行けって言われたんだよ」
関井の返した言葉に、敬語を使えと頭を小突きながら大湊は内心に驚きと嬉しさと、そした未知の領域からの自分へのアプローチに若干の動揺を覚え複雑な心境になった。試しに他の新入部員にも聞いてみるが、言葉は違えど同じような返答が返ってくる。またそれは不思議な事に山井や川崎、関井など、素質の高い子らに多かった。ここまで来るとさすがに大湊も気味が悪くなるのを忘れ、なにかの因果関係を感じずにはいられない。

だが、その答えはひょんなところから出ることになる。同じクラブに所属していた川崎と柳橋の何気ない会話だった。「あのめっちゃ軽い鮫島監督があんなマジメな顔で言うんだもんな」川崎と山井、それに柳橋は共にあの吉沢を擁して全国大会に出場した富士見FCの出身だ。

鮫島とは大湊の教え子に確かに存在した。


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