センターサークルのその向こう-サッカー小説-

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サッカーコラム

【ギリシャ戦】とうこくさん、僕は泣いてしまったよ。【エルゴラ 14/06/19】

エルゴラッソはW杯期間中、変則発売となっている。普段は月水金の発売だが日本戦に合わせプレビューとマッチレポートが適切に出せるように日取りが組まれている。

toukoku.png画像は、今号(6/19発売)に入ってるとうこくりえさん連載のミニマンガコーナー「蹴球風見鶏」の1シーン。これは1シーンで、もちろんこの先に続く話がある。

僕は今号の蹴球風見鶏を見て、泣いてしまった。

とても短い内容だけど、本当に素晴らしい。いま僕らに必要な気持ちは、きっとこれだと思った。いつの間にか忘れてしまった、この想い。それを思い出させてくれた。いつの間にか忘れてしまっていた自分に気付き、思い出し、そして、涙が流れました。ぜひ、これを見ているみなさんもコンビニやキオスク手に取って見てほしい。本当に。
※エルゴラ編集部の方:きっと売上に少しでも貢献できると思って掲載しましたが、問題でしたら即刻削除いたしますので、その旨ご連絡いただければ幸いです。

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とうこくさんの「蹴球風見鶏」は今回だけじゃなく、ときに皮肉だったりときに風刺に富んでいたり、あるときはマスコットがそれぞれのクラブ事情を投影した人格をもって登場したりと、いつも本当に面白い。面白いだけじゃなく、歴史的な敗北を喫したとき、いたたまれない事件があったときなどは、一緒に悲しむことで僕らの心に寄り添ってくれるような内容もあり、これ一つだけでも160円払う価値があるのではないかと思う。今回も、大きな期待を寄せられていた日本代表の歴史的敗北を受けて、非常に的確に、僕らが立ち戻るべき原点を示してくれている。

ただ、今号はそれだけじゃなかった。

今号のエルゴッソは絶対に「買い」だと思う。蹴球風見鶏だけじゃない。今号のエルゴラッソは、本当に充実している。

「エルゴラッソにもの申す」

この記事のカテゴリタイトルをご覧いただければと思うのだが、名付けて「エルゴラッソにもの申す」。なんて挑発的なタイトルなんだろう。エルゴラ編集部さんごめんなさい。ただ、これは"愛情を込めた"タイトルであることをわかってもらえると嬉しい。

正直に言うと、エルゴラッソの記事に僕は懐疑的だ。いや、モノによる、人による、号によるのだが、それにしても違和感を感じることが少なくない。たとえば日本サッカーの2大巨頭誌、サッカーマガジンとサッカーダイジェスト。この二つのサッカー誌に比べると、単純に読者としてみたときにはやはり記事の質は落ちると思う。

ボリュームだとか考察の深さではない。量の多さ少なさではなく、論理矛盾やサッカーに対する造詣の深さが足りないと感じることが多い。それはマッチレポートにしても、採点にしても。事実、サッカーが好きな友人も「えー、エルゴラって回によってはまるで読む記事ないときあるだろ?」なんて言っていたこともある(もうだいぶ前だが)。

ただ、この専門新聞にはまずもって一番に評価すべきことがある。それは、「この新聞が日本に存在していること」だ。エルゴラッソの創刊は2004年10月(wikipediaより)。たしか創刊号を手にしてワクワクしていたのをいまでも覚えている。「こんなサッカーの情報量の多い新聞を週に何回も読めるのか」と(たしか創刊当時はいまのような週3ではなく週2回発行だった気がする)。

2004年ということは、Jリーグ創設から10年を擁したということになる。10年ですよ、10年。日本が初めてW杯に出た年よりもずっとあとだ。つまりそれだけ刊行が難しかったということだ。それはそうだろう。Jリーグだってまだ現状はサッカーマニアのものでしかなく、地上波ではほとんど中継がないコンテンツなのだから。その専門紙がキオスクで多種のスポーツを扱うスポーツ紙に並ぶというのだから、これは大変なことだ。

そう、エルゴラッソは、現在まで続いているだけでもうじゅうぶんすごいんだ。

エルゴラッソの紙面にみる「姿勢」

エルゴラッソの記事に違和感を感じることが少なくないと前述した。しかし、僕はこの専門紙が好きだ。だから、愛情をこめて「エルゴラッソにもの申す」というカテゴリタイトルで取り扱うことにした。本当はもっといっぱい書くつもりだったんだが、まあ、素人ブロガーなんてそんなものでプライベートが忙しくなかなか手を出せてない。もっと書かねば・・・。

話がそれた。
記事の質に波があるゆえに、僕はエルゴラッソをライトなサッカーファンにはあまりおススメしない。良い記事もあるんだが、結構ひどい記事もある。たまに「これはポエムか?」と思うことすらある。でも、これだけは言わせていただきたい(そもそもお前が勝手に否定してるんだろという話だが)。

エルゴラッソには「魂」がある
質はともかくこの量を週に3回も発行する時点で、一般的には頭がおかしい人の部類に入るはずだが、そのとおりだと思う。いや、もちろん否定したいわけじゃない。会ったことも話したこともないが、エルゴラッソ編集部の方々はきっと、寝ても覚めても日本サッカーのことを考えているのだろうと思う。それが、紙面から伝わってくるんだ。

とくに、これといって「我々は日本サッカーのために~」なんてことは書いてない。
ただ、読んでいればわかる。質がどうだろうが何だろうが、Jリーグを綿密に取材して、担当クラブを愛し、なんとかして読者に、この国にサッカーの楽しさを伝えようとしていることだけは、読んでいればわかる。

そしてそれは、日本代表戦の前後の号で最も顕著になる。
1面の表紙からぶち抜いて何面も日本代表関連の記事を連ねてくれるわけだが、表紙のコピーなど、Jリーグのレギュラーシーズン等に比べると力の入れ方が違うように見える。おそらくそれは日本代表だからと言うだけではなく、売上としても高い数字をたたき出す号だからというのもあるのだろうと思う(ゆえに優勝決定直前やJリーグ開幕時も同様の力の入れ方を感じる)。

そのとき、本当に感じる。
表紙のキャッチコピーから、レビューの見出し、写真の選定にいたるまで。

「我々が伝えるべきはなにか。日本代表のためにできることはないか」という想いを

きっと、彼らは悩んだんだと思う

僕は、楽しみにしていたとうこくさんの「メッセージ」を受け取ったあと、再び1面から見直した。そして読み進めた4・5面で、また涙を流した。きっとエルゴラッソは、相当に苦しんだのだと思う。この悲壮感さえ漂う敗北を喫した日本サッカーを前に、弱りきった日本代表のために、日本サッカーに自分たちが今何をできるのか、何をすべきなのか。

このピンチに、自分たちにできることはないのか、と。

いま何を読者に、日本に届けるべきか。そのためには、まず僕らの日本代表がいまどうなっているのか、彼らに何が足りなかったのか。何が必要だったのかを定義する必要がある。

エルゴラッソが考えたのは、僕の思っていることと同じだったのだろうと思う。

日本代表は、怖じ気づいた、と。

力が無かったのではない。出せなかったのだ、と。

ならば、ピッチの外から戦う人間のすることは一つだ。僕らが誇る精鋭が、その力を存分に発揮できるように背中を押す。それが、サポーターの役目だ。それはときに励ましであり、ときに叱咤になるかもしれないが、いずれにしても方向性はひとつ。

ここからは推測に推測を重ねたものだが、おそらく、エルゴラッソは8年前の悪夢に抗えなかったことを悔いているのではないかと感じる。それほどに、内容がポジティブなのだ。いや、冷静さはどこにも失ってない。専門紙の中立性は維持しようとしている。でも、そこかしこに、ポジティブな表現を使うことでメッセージを送ろうとしているのではないかと、僕は感じる。
日本代表だけではなく、彼らを応援する僕らにまで「大丈夫。日本代表はやれる。必ず巻き返せる」というメッセージを届けてくれているような気がするんだ。

たとえば4・5面のマッチプレビューでは、全選手の現状に対してコメントが付いている。たとえば一つ紹介すると、吉田麻也にはこんなことが書かれている。

「初戦の敗因はすでに把握している。ディフェンスリーダーとして、ここでもう一度周囲との連携を促進する覚悟を示した」

たとえば、シーズン中から絶不調が伝えれる清武でもこうだ。

「再びボールが落ち着かない、ポゼッションがうまくいかない展開となれば、サイドで起点を作れる彼の出番となることも」

もちろん、エールではないし、専門紙を使って手紙を出すのも違う。悪かった選手にはきちんとネガティブなことが書いてある。でも、それもどこか前向きさを感じさせる。べつに熱いことが書いてあるわけではない。淡々とした文章で、ほんの数行書かれているだけだ。でも、一貫した姿勢が見える。きっと、ここは本当に注意を払って書いてくれているのだと感じる。

そして、マッチプレビューの日本側の見出し。

これはもう、香川へのメッセージだ。

芸能ゴシップまで扱う他スポーツ紙に比べたら、圧倒的な硬派であるエルゴラッソにおいて、こんな見出しはほとんど見た記憶が無い。冷静に、高度な分析を求められるサッカー専門紙にこんな見出しをつけてはいけないだろう。でも、いまはとてもしっくりくる。冷静さを極力保ちながらも、とてもいいフレーズだ。
そこには、こう書かれている。



「頼むぞ10番。日本に必要な"強気な香川"」



忘れていた"仲間"の存在

そして、8・9面をぶち抜いて掲載されている企画に、僕はうれしくなった。

そうだ、そうだった。
日本代表は、一人じゃないんだ、と。

僕らが抱える「仲間」の短いインタビューが大量に掲載されている。総勢22人。おそらく個別に対面したのではなく、メールか何かで質問を投げてそれを回収したのだろう。ただ、驚くのは、その内容だ。「W杯を見ていて感じることは?」というお題なのだが、多くの返答者がコートジボワール戦について書いている。そう、あのあとにわざわざ回収したインタビューなのだ。

もともと決まっていた企画なのかもしれない。しかしそれにしても、これだけ短い期間に集めるのは並大抵のことじゃない。文字数の制限もバラバラだし、それぞれとのやり取りがある。答えを言ってしまおう。8・9面には、日本に残っているJリーガー、監督のインタビューが掲載されている。さらに言ってしまうと、そこには松井大輔、中澤、駒野、巻のコメントがのっている。それだけじゃない。おそらく、悔しい思いをしたであろう"元"日本代表の顔も見える。

断っておくがこれも、きちんと専門紙の体裁を守っている。ミーハーなファンブックではない。日本代表に向けたメッセージと言う体裁はとっていない。だから、日本代表に触れない選手もいる。しかし、多くの選手が触れてくれている。それがうれしいのだが、何よりうれしいのは、2面をぶちぬいて、その顔が並んでいることの心強さだ。開いた瞬間に、僕は嬉しかった。そうだ、そうだ。日本サッカーの一員として戦ってきたのは現日本代表だけじゃないんだ、と。

どうか、下劣なスポーツ紙に騙されないでほしい

おそらく、多くの人がスポーツ紙を購入して、通勤時間などに楽しんでいると思う。この時期にパワーをかけて日本代表のニュースを取り上げるスポーツ紙を否定はしない。それとて、日本サッカーを盛り上げてくれる一つの力だ。

でも、日本代表を応援する気持ちがあるのなら、ぜひエルゴラッソを買ってほしい。

エルゴラッソには「魂」がある。売り上げを伸ばしたいだけの、芸能ゴシップや風俗コラムと同居するスポーツ紙とはわけが違う。エルゴラッソはきっと、日本サッカーを盛り上げることを本気で考えてくれている。その想いを、活字の裏にあるメッセージを受け取って、一緒に日本代表を応援してほしいと僕は思う。

あえて紹介しなかったが、今号には上記の22人インタビューのほかに、これまでW杯で戦ってきた歴戦の勇者のインタビューが掲載されている。それも、2名だ。その人選がまた、渋い。この二人を選んだエルゴラッソを僕は感心する。ミーハーに、忙しく飛び回っている「スター」じゃない。でもだからこそ、真摯に、時間を取って答えてくれているのがわかる。そう、だから、エルゴラッソは本当に「紙面から、日本代表のためにできることは何か」を模索しているのだと思う。

だからこそ、手に取ってほしい。日本で唯一の「サッカー専門紙」が今後も続くことも大事だし、いま、日本代表を応援するために、心を一つにするために、ぜひ「魂」を手に取ってほしい。エルゴラッソがきっと苦しみながら考えた、「いま自分たちが日本サッカーに、日本代表を少しでも救うために何ができるか」ということの結論を。

最後に。
こんなことは絶対にないが、もしかしてもしかすることで、僕のこの記事の思いが誰かに伝わって、日本代表まで届いてくれるといいんだけどな、と思っている。そんなの夢のまた夢だけど、伝わるとうれしい。僕の記事なんかどうでもいい。そうじゃない。

「アンタらはできるはずだ。エルゴラッソだってそう言っている。みんなそう思ってる。がんばれ。楽しめ。応援してるんだ」という想いが、伝わるといいなと思いながら、この辺でこのエントリーを閉じようと思う。

最後まで読んでくれて、本当にありがとう。

みんな、明日一緒に頑張ろう。

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