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コラム

部下の仕事をスピードアップさせる方法なんて一つだろ

こんな記事を読んだ。

ただ「急かす」だけの上司と、部下の仕事をスピードアップさせる上司のちがいは、2つの質問にある。

まったくどれだけ幼稚なことを言えば気が済むんだい?と同じ文体で質問し返したくなるほどに幼稚なんだが、理不尽な上司を現場から追放したい僕としては黙っていられない事案だ。

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上司 「このプロジェクトは、1ヵ月でやれ」

部下 「...。がんばります」(いやいや、言ってることを実現しようとすると、最低3ヶ月はかかるから)

ということに対して、こう質問すべきだと記事では言っているのだが。

1.私は◯月◯日までに仕事を仕上げて欲しいが、これを実現するために障害はあるか?それに対して私が手伝えることはなにか?

2.◯◯という要求は必須。◯◯と言う要求は努力目標だ。

いやいや、あんたが手伝おうが、必須と努力目標をわけようが、できないものはできないだろう。なんだろう。幼稚園児なんだろうか。だが、悲しいかなこういう上司は現場にとても多い。彼らの目的はそのだいたいにおいて目標達成ではない。「俺は部下のことを考えてるできる上司だろ?」というアピールに過ぎない。手伝う姿勢を見せることでアピール、求めるものを分割してハードルを下げることでアピール。

こんなものは、具体例を当てはめてみれば一発でボロが出る。

1.私は明日までに東京ドームを完成させてほしいが、これを実現するために障害はあるか?それに対して私が手伝えることはなにか?

2.東京ドーム完成という要求は必須。「そこですぐに巨人戦を開催する」と言う要求は努力目標だ。

いかにバカげているか、本質を見落としているかがよくわかる。

上司(マネージャー)に必要なのは何よりも

マネージャーに必要な資質は多岐に渡るが、この話に限って言えば最も重要なのは適切な納期を定められる能力だろう。そこにはもちろん標準的な工数を算出できる能力だけでなく、依頼する相手のリソース(=稼働状況)をチェックし調整できる能力も含む。いくら工数が算出できても、エンジニアが手いっぱいではできるはずもないのだから。

というか、逆に聞きたい。

これ以外にスケジュールを適切に切って、さらに適切に短縮する方法なんてあるのか?
あるのなら教えてほしい。

依頼している内容の重さがわからない人はどうすればいいのだという話になりそうだが、だからそれこそが上司の能力なのだろう。できないのならそれがあなたの実力であって、部下の作業スピードが遅い、怠けていることを指摘したいのならそれを適切に分解して指摘できる能力が必要なのはどんな業界だって当然のことだろう。できないのは、それはあなたが無能だからだ。悔しければ勉強すればいいだろう。勉強して知識を身につければ部下と共通言語で会話ができるのだし、部下の怠慢も見つけられるだろう。

もちろん、部下の仕事のすべてを上司が理解するというのは理想でありながらやはり理想でしかなく、すべてにおいてそれが実現できることはない。どこかで、部下のスペシャリティに頼ることはあるし、頼る方が組織としては間違いなく伸びる。ではその時はどうすればよいのかというと、その部下を信用する(=信用できる部下しか置かない)か、信用できるご意見番を見つければいい。「私はこの分野はわからないが、彼がそういうならそうなのだろう」という人を見つければいい。

それもいない?じゃあ上司なんてやめてしまえ。あなたにはその器が無いのだから。

部下の仕事をスピードアップさせるたった一つの方法

そんなの簡単だ。

部下の能力を上げればいい。
というかもう一度聞こう。

これ以外にスケジュールを短縮する方法なんてあるのか?
あるのならぜひ教えてほしい。

もちろん、これは同じ部下を登用し続けるという前提だが、その前提であればこれしかないと思う。いや、状況を想定すれば他にもいくらでも策はあるが(もしその部下が複数の案件を抱えているならそれを減らすことでスピードアップするだろう。当たり前だが)、いずれにせよその作業の必要工数そのものが減るわけではない(厳密には工数は同じでそれを処理する時間が短くなるわけだが)。

たしかに部下のメンタルやオフィスなど労働環境を整えることで改善することはあるとは思うが、ただそれにしても軽自動車でスーパーカーのようなスピードが出せるはずがない。ドライバーの気分をどれだけよくしようが、車の性能に雲泥の差があるのだから。

部下の仕事をスピードアップさせたいなら、方法は一つだ。部下の能力をあげるように取り組むしかない。チャレンジを促し、適切な課題を仕事として提供し、それを評価する。その繰り返しを、モチベーションと相談をしながら愚直に続けるしかないだろう。もちろんそこにはメンタルに気を配る、動労環境に気を配るということも含まれるが。

それ以外で、たった一言二言で部下の質を変えて成果を出そうなどと思っている上司は、世界からいなくなったほうが良い。邪魔でしかないから。あなたがそう思っている時点で、あなたは仕事をしていない。マネジメントとはそんなに生易しいものではないだろう。

え?部下の育成なんて考えられない?

なるほど。

あなたみたいなバカはGoogleで「マネジメント 部下」と入力してみると良い。

検索ボタンを押す必要すらない。サジェストで十分だ。

それだけで、あなたがどれだけ上司として怠けているかがわかるから。




















management-buka.png

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==追記==

こんな反論をブコメでもらった。

部下の仕事をスピードアップさせる方法なんて一つだろ|センターサークルのその向こう―サッカー小説―

東京ドームを明日まで、みたいな極論で喩えるの方が幼稚では?上司の「手伝い」ってのは、顧客・営業等ステークホルダとの納期交渉、人員投入、有識者手配等々であって同じ仕事を一緒にやるわけじゃないだろ。

2015/05/20 10:09

論点がだいぶ違うというかたとえ話の重要ポイントが違うのでなんともいえない感じなのだが(それも含めて僕の文章力の問題だが・・・)、誰も上司と同じ仕事を一緒にやるとはいってないし、例が極端なのはわかりやすくするためで、そもそもここではサイズの話は関係ないはずだ。

本来3ヶ月かかることを1ヶ月でやれなんていうバカげたことを言う上司に対して、「そういう上司じゃなく、手伝うことと目標を分解することを発言する上司ならできる」とかいうトンチンカンなことを言ってることに対して、それがいかにあほなことを言っているのか例を出している。

「じゃあそれが東京ドームでもできるんですか」という反論を出しているまでで、べつに東京ドームじゃなくてもいい。「料理教室を企画して明日開催しろ」でも「いまから走って1分で3km先のクライアントに書類を渡してこい」でもいい。上司のバカさ加減は質問だとか目標分解に出ているのではなく、そもそもの納期設定、マネジメントができていないところにでているのに、この記事はそれがまるでわかってない。

そんな上司、いるだけ無駄なんだよね。


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