センターサークルのその向こう-サッカー小説-

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サッカーコラム

佐野弘樹選手、大学サッカー引退。

佐野弘樹、というサッカー選手をご存じだろうか。おそらく、ほとんどの人が知らない選手だと思う。だが、僕はこの選手がとても好きだ。

どこの選手かというと、専修大学。そう、昨年まで関東大学リーグ4連覇を達成した強豪大学サッカー部だ。といいながら、僕は専修大学サッカー部の試合を一度も見たことが無い。4年間、情報を追っていただけだった。一度は観戦に行こうと思っていたのだが、また今度~と言ってる間に4年が経ち、とうとう先日大学サッカーを引退してしまった。

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なぜ4年間一度もプレーをみていない選手を追っていたのかというと、4年・・・ともうちょっと前に彼のプレーをみてファンになっていたからだ。それは、高校選手権。

そろそろこの辺で種明かしをしよう。
佐野弘樹という選手は、専修大学に進む前は桐光学園でプレーしていた。県予選を突破し、その年の選手権にも出ている。背番号は「10」。そう、彼は中村俊輔の後輩であり、そのレジェンドが着ていた10番を受け継いだ選手だ。中村俊輔、藤本淳吾のその先に彼はいる。

「桐光学園の10番」といえば、神奈川では、いや、高校サッカーでは特別な存在として見られる。ファンタジスタとしての姿を求められるのはもはや宿命といってもいい。彼は、それに恥じないプレーを見せていた。桐光学園の10番といえば技術に偏り、あまりフィジカルは強くない傾向がある。彼はその系譜とはひと味違うタイプのファンタジスタだった。

桐光学園ではトップ下ではなく2トップの一角を担っていたが、プレーは最前線のそれではなく、いわゆる1.5列目のそれだった。10番に求められる高いテクニックは当然として、スピード、フィジカルにも優れていた。とくにフィジカルは素晴らしいものを持っており、敵に当たられてもグラつかないしっかりボールキープができるタイプだった。
強引に例えれば、中村俊輔やルイ・コスタではなく卓越した技術、高い敏捷性、強いフィジカルで勝負するトッティに非常に近いタイプのファンタジスタだった。

これはちょっとした自慢だが、僕は若い選手を見る目には多少自信がある。なぜなら、目を付けた多くの高校選手がプロの道へ進んでいるから。
例えば、川崎Fの小林悠は麻布台淵野辺高校にいるときから知っている。

北井佑季という選手がいた。
桐光学園の快速ドリブラーだった。キレッキレのドリブルを今でも覚えている。いまはカターレ外山にいるらしい。

瀬沼優司。彼も桐光学園の選手で、いまは愛媛FC。
内藤洋平。佐野弘樹と同じ桐光学園の10番。現在はギラヴァンツ北九州。
武藤祐樹。神奈川の武相高校出身で、彼に至っては全国大会にも出ていない。もちろん今はご存じ浦和レッズであり日本代表だ。

もちろん、全員がプロになれたわけではない。武相高校の柿崎弘樹、日大藤沢の首藤徹也、桐光学園のこれまた10番、西川総一朗。高校時代には良いプレーをしていたが、全員プロには進めなかったようだ(柿崎弘樹にいたっては本当に良い選手だったんだが、流経大に進んで1年もせずに退部してしまったらしい)。ただ、上記の通りほぼまったくの無名時代に目を付けた選手の多くはプロになっている。小林悠も武藤祐樹も日本代表まで行くというのはさすがに驚きだ。

小林悠も武藤祐樹も高校時代は無名選手だったが、大学で大活躍し、プロのスカウトのお眼鏡にかなうこととなる。その誰よりも、僕の目には佐野弘樹が上だと思っていた。だから、だからこそ、きっと彼もプロになれるんじゃないかと思っていた。それは、「いままでみんなプロになったから」というだけではない。実際に4年間追っていたのだが、1年次からトップチームの試合に出て、さらに最終学年となった今年は10番をつけていた。実際に活躍していると思ったからこそ、プロに進むのではないかと思っていた。

ただ、今年のあるときからパッタリと出場がなくなってしまった。
どうやら、怪我をしていたらしい。

この怪我が無ければ、もしかすると違う結末になっていたのかもしれない。いや、それを言うなら、高校選手権で尚志にPK戦の末に敗れるわけだが、その尚志は準決勝まで進んだ。田場ディエゴも、松井修平も大会前は知られる存在ではなかったが、勝ち進むことで注目される選手になった。あのとき尚志にPKで勝っていたら、彼はもっと世間の脚光を浴びていたのかもしれない。

たらればの話をすればキリがない。わかっている。ただ、ただただ、残念なんだ。彼がプロになってどんなプレーを見せるのか、楽しみにしていたから。

まだサッカーは続けるということなので、社会人リーグでもなんでもいい。願わくば、趣味ではない世界で戦ってほしいと思っている。

彼の情報を追いながら、次の桐光学園の10番だった松井修平に期待して、またサッカーを観ようと思う。

佐野弘樹選手、大学4年間お疲れ様でした。


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