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コラム

子どもに読書感想文を書かせる方法を考えてみた

本当は前回の記事の続きで神奈川県についてまた書こうと思ってたんだが、ボリュームが多くなってしまって書ききれない&編集が必要になりそうななか、こんな記事を見つけたのでこっちについて書いておこうかなと。

なるほどなぁ、その憤りわかるなぁと思いつつ、ちょっと反論している先が複数に及んでしまって、個人的にはもったいないんじゃないかなと思ったので、僕が思ったこと、対策を書いてみる。

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読書感想文に求められるもの

まず、話の前提から実は違うんじゃないかと思っていることがある。

小中学生に課す夏休みの読書感想文は、クオリティを求めているものではないと思う。

いや、これもおそらく対象の年齢によって大きく変わるのだろうと思う。思うが、いずれの年齢にしても読書感想文に最も(課題提出側=学校)が求めているのは中身ではないのだろうと思う。

「読み」「書き」がこの社会を生きる上で土台となる大変重要なスキルであることは今さら議論の余地はないと思う。ただ、この「読み」「書き」とは、みかんを見て「みかん」と文字にできる程度で留まるものではないだろう。「コタツの上のみかん」という文を読んだ時、前後の文脈から冬を思い浮かべたり、猫やおばあちゃんを思い浮かべたり、「たぶん一個じゃないよね」という間接的に状態を読み取るという想像力を持つことまで含まれる

そして、それをのばすのに直接的に役に立つ一つの方法として「本を読む」という行為がある。教育の現場においてマンガが嫌われ、小説などの本が好まれるのはこういう背景があるからだろう(もはや背景ですらないほど表面化している気もするが)。

しかし一方で、この国は大人から子供までどんどん本を読む人が減っているというデータもある。電子書籍が普及しつつあるとはいえ、やはり現代は「本が売れない」時代になっている。いや、もしかするとインターネットとスマートフォンのおかげで実は「人々」と「文字」の接触率は増えているのかもしれないが、しかし、ネットで流れる文字というのは速報性が高く、たとえば小説のように「じっくりと文字と向き合う」という時間ではないように思う

それが小中学生となればさらに顕著になり、TVも、マンガも、ネットもある彼らが「文字と向き合う」時間が減っているのはデータをみるまでもなくそうなんだろう。そして、先ほど「コタツの上のみかん」で書いた通り、前後の文脈から想像力を働かせると書いたが、これは読む(インプット)にしても書く(アウトプット)にしても、コミュニケーション能力の土台となるものだ。昨今、バカッターにせよ「ゆとり」にせよコミュニケーション能力の低下が叫ばれているが、それはたぶんこの活字離れとは無縁ではないと思う。

話がわき道にそれまくったが、何が言いたいかというと、つまり学校の先生は生徒に「本を読ませたい」のだろうと思う。しかし、課題として「本を読む」と課したところで、夏休み明けに「読みました」ではいくらでも嘘がつけてしまうので、「本を読んだのなら、自分なりの感想があるはずだろう」という論理のもと、読書をした証拠として読書感想文を提出させているのではないかと思うだが、どうだろう。

添削でみるべきところ

というわけで、僕は読書感想文をやめるべきではないと思っている。子供にはちゃんと本を読み、文字から情景を、人を、背景を、文化を想像してアウトプットができるようになってほしいし、そういう意味では読書感想文というのはインプットとアウトプットがワンセットになっているうってつけな課題だと思っている。

ゆえに、上記リンク先で

子供たちの読書感想文を見せてもらうと、添削されているのを目の当たりにするんですが、それってどういうことなんですかね?
だって、本人は本人の感想文を書いているわけじゃないですか、思ったことを書いているんです。
それを添削って何様ですか?って思っちゃうんですよね。本人が感想書いてるんだからそれが書いた本人にとっては正解でしょう。

というのは、添削のポイントが違っているのではないかと思う。本当に学校の先生がどう添削しているかはわからないが、本来、読書感想文であるべき添削というのは、子どものもった感想に対して行うものではなく、感想を表現するその「道筋のつくりかた」に対して行うべきではないだろうか。つまり、子どもが思った「行き先」を添削するのではなく、そこへ到達するための「移動経路と手段」を添削すべきではないかと。「そこで線路を置いちゃダメだよね?そのまえで高速道路つかうって言ってたのに、そこに線路を置いちゃったら、あなたが思う行きたい場所にたどり着けないよね?」ということを伝える場になるべきだと思う。

ただ、これも年齢によって変えるべきで、はじめから「本を意欲的に読んで、自分の想いを捉え、それを的確に表現する」なんてことができるわけがないし、そもそもそれを育むための課題のはずである。だから、年齢が若いうちは「本を読んで感想を文にする」だけで合格とし、中学生ぐらいになったら「感想文のクオリティ」を求めるべきなのだろう。

子どもに本を読ませる方法

その「意欲的に本を読む」ということにおいて、リンク先ではこう書かれていた。

そもそも、本を読むという行為は、自主的じゃないと意味がないです。それなのに、「これ読め」と渡されて嫌々読んで感想を書けと言われたって、感想なんてないでしょう。

おっしゃるとおり。
だが、一方で、では子どもの自主性に任せて本を読むのかというとこれは大変難しいだろうと思う。だからこそ、教育側としては課題とすることで無理やりにでも本を読む機会をつくっているのだろう。教育とは基本的には与えるもので、そこに「強制力」というのはあって当然だと思う。すべてを自主性に任せるならそもそも教育などいらないのだから。

ただ、だからといって無理やりやらせたら好きになるかというと、まあ、ならないだろう。人は恐怖と脅迫か利益便益でしか動かないというのが持論であるが、恐怖や脅迫で動かした場合、その後によほどの達成感や利益が無い限り続かない。でも、やっぱり子供には本を読んでほしい。

じゃあどうしたらいいんだろう?と考えてみた。

批判するだけじゃ何も生まれないからね。

子どもは、おそらく大半が本は嫌いだろう。というか、大人でも小説を日常的に読む人となると一気に数が減ってくる。遊びたいざかり、楽しい友達も毎日横にいる、その他の娯楽もあるというこのある意味であふれ切ったこの国で、本を、小説を読ませるというのは本当に大変なことだ。

「ライトノベルを読ませる」というのはどうだろう。
そもそもが若年層向けにつくられた小説である。興味をそそる表紙や挿絵は「文豪」が書いたそれよりは読みやすいんじゃないだろうか。いや、でも、これも難しいだろうな。いまどき「表紙がアニメっぽかったから」ぐらいで子供は動かない。

「小説原作のマンガを先に読ませる」というのはどうだろう。
子どもが、いや大人も、小説をなかなか読まない割にマンガはよく読むというのは、あれはマンガの方がわかりやすいからだろう。頭の中で文字から一生懸命に想像せずともワンピースのメンバーは戦い、涙した姿を見せてくれる。だったら、小説を読むときにその補助があればいいのではないか。もう、小説を読む前からその話が「面白い」と思っていて、さらにキャラクターの表情などはマンガをもとに想像しやすくなる。ただの文字や名前に対して一生懸命自分で姿を想像しなければならなかったのが、キャラクターが脳内で勝手に動いてくれるのだから、これほど楽なことは無い。

たとえば「銀河英雄伝説」などはどうだろう。マンガかもアニメ化もされている。ただちょっと小学生には難しいか・・・。であれば「風が強く吹いている」はどうだろう。駅伝の話なのでわかりやすいし、チームワーク、友情、助け合いの話なので子供にもいい。

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ただ、今度はこのマンガをいつ読ませるのか、誰に読ませるのか、順番は、そもそも何冊買うのか、という問題が出てくる。難しい。

そうか。

では「小説原作の映画の鑑賞会を先に行う」というのはどうだろう。
良くも悪くも、日本の映画は原作ありきのものばかりである。なので、作品はいくらでもある。そして、ソフト化されている映画であればレンタルして教室で一斉に見せれば、マンガのように大量な冊数を購入しなくても良い(著作権的にどうなのかわからないのでそこは要確認だが)。また、一つの作品に絞ることを嫌うのであれば、複数の作品をピックアップして、校舎内の複数の教室なりで上映会をすれば良いのではないだろうか(生徒は事前に好きなものを選ぶ)。

こうすれば、マンガと同様に想像力の助けが映像として持てるので、キャラクターの行動も、展開も想像しやすい。また、マンガの場合は完全にネタバレになってしまうが、映画の場合は大半が小説から大幅に内容をカットしてつくられているので、小説の方が物語として濃いものを楽しめる。

もちろん、それでもネタバレは避けられないので、本当に理想的なのは「映画化された原作小説のシリーズ作品」が良いのだが、まあ、そうそうそんな都合の良い作品がいっぱいあるわけではないので・・・。

どうだろうか。我ながら、既存のままの仕組みならいますぐにでもやってあげてほしいなと思う。いくらかは本を読む気になるんじゃないのかなと。


にしても、むずかしいでしょうけどね。


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