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コラム

神奈川は大都会の隣にある巨大ガラパゴス県である【あるある編】

前の記事では、神奈川がなぜガラパゴス県なのかということを書いてきた。続きとなるこの記事では、そのためにうまれたあるあるネタを紹介していこうと思う。

なお、ガラパゴス県が原因ではないものもあるが、気にしないでほしい(何の言い訳にもなってない)

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時折、コスモクロックが乗り物であることを忘れる。

コスモクロックとは、みなとみらいにあるあの大観覧車のことだ。とくに横浜市民はみなとみらいをまず景色で認識するので、ランドマークタワー、クイーンズスクエアと並んであの観覧車を景色、もしくは時計と認識している。近くにあり、頻繁に目にし過ぎるのだ。なので「あれに乗ると楽しいものだ」ということをついつい忘れる。

これは本当にあった話なのだが、もうどう転んでも告白すればOKを貰える雰囲気の女の子とデートに出かけた友人が、オシャレなみなとみらいについたはいいが、人が多くて意外に二人きりになるところがないためにランドマークタワーのふもとでしばらく悩んだらしい。いやお前の目の前にあんだろうってつけのやつがという話なんだが、地元民はそれを忘れる。

ちなみに、類似問題として「湘南民、江ノ電が観光電車であることに気付くのに時間がかかる」というものがある。江ノ電という電車は藤沢から江ノ島を経由して鎌倉まで通る路面電車で、休日には観光客で混みまくる電車だ。しかし藤沢で生まれ育つと、はじめからその存在があり、さらに思春期になると今度は平日に高校生が通学で使う電車になるため(沿線に二つ高校がある。一つはあのスラムダンクのモデルになった高校、もう一つは共学なのに7割が女子と言うハーレム高校。死ねばいいのに)、移動手段という認識しかない。「江ノ島、小田急で行く?江ノ電で行く?」という程度の感覚しかないのだ。いや、冷静に考えればクッソ遅いしその割に運賃高いしで移動手段としては良くないのだが、なかなか外に出ない地元民はそれに気づかない。

野毛とみなとみらいが同じ駅というカオス

JRで行く場合、みなとみらいの最寄り駅は桜木町駅になる。2004年にみなとみらい線ができるまでは「みなとみらい駅」など存在せず、ほとんどの人はその桜木町駅でおりてみなとみらいに向かっていたし、いまも多くの利用者がいる駅だ。

さて、全国の方はご存じないだろうが、この桜木町駅付近には「野毛」というエリアがある。ここがどういうところかというと、狭い路地に渋い飲み屋が乱立する「おっさんの聖地」だ。綺麗ではないというか、はっきりいって汚いと言った方が良い。猥雑でもいい。そして「ここはホルモンの産地なのか?」と疑うほどにやたらとホルモン屋がある。また、この野毛から歩いてすぐのところにはJRAの場外馬券場がある。そこで遊んだ人たちも野毛に来て一杯やったりする。「冷やし中華はじめました」ならぬ「グリーンチャンネルあります」というその界隈でしか見られないものが多数掲げられているエリアだ。

要するに、明らかに「アンダーグラウンド」なのだ。最近でこそ観光客も来るようになったが、もともとは地元のさらにのんべぇしか集まらない、圧倒的なアングラエリアである。なんてったって、夕方4時の時点でメインストリートに酔っ払いがわんさかいる街である。そしておそらく日も暮れきらない夕方6時くらいがピークという、堂々と昼間から酒飲んでる街だ。あのきらびやかなみなとみらいと線路を挟んで反対側に野毛があるというこのカオス、全国でもそうそう見られない落差だと思う。

というか意味が分からない。どうしたらあんな「改札を右に出るか左に出るかで世界が180度変わる」なんて街をつくれるんだろうか。独自の発展を遂げすぎだろう。

イセザキモールと曙町というカオス

これはもっとひどい。というか横浜市民の良心を疑う。桜木町のお隣、関内駅を出るとすぐに「イセザキモール」という商店街がある。ここは有隣堂本店や以前はデパートの松坂屋があったり、UNIQLO、BOOKOFF、飲食店などがならぶ休日は家族連れで大変にぎわう、「THE横浜」といった雰囲気のあるストリートだ。写真を見てもらったらわかるかと思う。

しかし、書いている今も信じられないのだが、このイセザキモールから一本外側の道に、親不孝通り、つまり風俗街がある。知らない方はこれを聞いて「大通りとして一本隣の道」ぐらいに思っているだろうが、そうじゃない。本当に、物理的に一本隣の道に親不孝通りが並走しているのだ。しかも両脇に。しかも、全国有数の風俗街なのだ。めんどくさい。もう地図で説明してしまおう。

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なんだこれ
UNIQLOとか本屋とか飲食店とかならぶ通りから一本外れると「入浴料」とか「不二子ちゃん」とか書かれた看板が並ぶ世界に引きずり込まれるとか狂気の沙汰としか思えない。というか家族で来ようもんなら親といながら両脇を親不孝通りで固められるという、なんだその罰ゲームみたいなの。ウルトラ電流イライラ棒か。

大船というカオス

そして今度は駅も道も挟まないカオスだ。ここは野毛とはるぐらい狭い路地にドラッグストアやら飲食店やら雑多に店が並んでいるのだが、雑多が行き過ぎてガッツリ魚の香りを漂わせる「いわゆる魚屋」の向かいに宝石店があったりする。ドラッグストア、魚屋、メガネ屋、みたいな並びが平気で実現するような街並みは、もしかして店主同士が仲が悪くてまったく連携を取るつもりが無いのかと余計なことを考えてしまう商店街設計である。シムシティ失敗してもこうはならないレベルだ。

ちなみに大船といえばやはり「大船観音」である。前の記事で言及した東海道線にのっていると見えるので、大船在住じゃなくても東海道線ユーザー、横須賀線ユーザーにはおなじみである。写真をみつけたので貼っておく。

※写真:townphoto.netよりkbv060.jpg

※写真:townphoto.netよりkbv060.jpg

写真をみたらわかると思うが、山のてっぺんからそのご尊顔をドーンと出していただいており、初心者はたいがいこう思う。

「でっけー。下半身はどうなってるんだろう?」







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胸から上しかありませんでしたという詐欺仕様である。

地元民だろうが観光客であろうが初見で必ず騙されるので、これはもう大船近隣住民にとっては風疹やおたふく風邪とならぶ成長の通り道と考えても良いのかもしれない。

また、この大船観音は夜になるとまた違った顔をみせてくれる。いや、嘘をついた。ライトアップが怖すぎて東海道線ユーザーを絶大な恐怖に陥れる、それが大船観音だ。

大船観音パイセンの夜のご尊顔はこちら

通勤快速というトラップ

前述の東海道線には「通勤快速」という種類のものがある。「普通(各駅)」「快速」の上に位置する、つまり最も速い列車なのだが、これが速すぎるのだ。速すぎて何が困るのかとお思いだろうが、もう少し詳しく説明しよう。東海道線というのは以下の駅構成となっている。

  • 東京駅-新橋駅-品川駅-川崎駅-横浜駅-戸塚駅-大船駅-藤沢駅

これが各駅だった場合は当然すべて止まるのだが「通勤快速」だとこうなる。

  • 東京駅-新橋駅-品川駅- - - -大船駅-藤沢駅

なんということか、天下の横浜すら通過するという思い切ったことをしてくれている。これは、たしかに大船以降でおりる人にとってはとてもありがたい路線だ。川崎や横浜でおりる大量の人はこの電車には乗らないので、必然的に普段より空いていて、なおかつ早く帰れる。素晴らしい。じゃあなにが問題なのかと思うだろう。

ここで、前の記事で書いたことを思い出してほしい。

「東海道線は駅の間隔が異常に広い」

普通に行けば、品川から川崎、川崎から横浜、横浜から戸塚、それぞれ10分以上かかる路線である。その駅をすべてすっ飛ばして品川から大船まで行くのだ。なんと恐ろしい路線だろう。だって、うっかり間違えて乗ったらそこから30分降りられないんだぜ。たとえば川崎に出ようと思ったのに間違えてこの通勤快速にのってしまうと、本来なら10分程度でつくというのに、30分も乗せられたあげく、大船についたらそこから川崎に戻るのにまた30分ぐらいかかるのである

大船でおりてすぐに上り電車がくればいいが、通勤快速が走るような時間は上り電車が少ない。本当は10分でつくのに、下手すると1時間以上かかることになるのだ。

さらに怖いのが、この通勤快速は通常運賃で乗れる。私鉄の特急などとは違い、あくまで快速のもう一個上というだけなので、もちろん指定席でもないし、車両も各駅停車と全く同じデザインの車両なのだ。行き先表示も各駅停車と変わらず「小田原」と表示される。これをトラップと言わずしてなんと呼べというのか(怒)

速いのはとてもありがたいのだが、それと引き換えに失うものが大きすぎる気がする。

「原宿」というと「どっちの?」となる問題

世間一般に原宿といえばもちろん渋谷のお隣、竹下通りのあるあれだろう。しかし、神奈川県民はそうではない。よし、いまから意味不明なことを言います。

「原宿といえば渋滞のメッカです」




「ああ、人のな」と思ったそこのあなた。

ちがう!

本当に車の渋滞です。
ちょうど藤沢市と横浜市の境目近くにある「原宿の交差点」というのが、横浜市戸塚区にある。いわゆる東海道とよばれる「国道一号」の通りにあるのだが、ここの渋滞がひどい。たかだか一つの交差点なのに、ひどいときはここを抜けるだけで30分以上待つこともあった。風のうわさでは国内の渋滞ワースト1に選ばれたというのも聞いたことがある。

数年前にやっと立体交差化して解消されたんだと思っていたんだが、実家の母に聞いたところ「そうだけどそしたらその手前と奥での交差点で渋滞ができた」というなんとも悲しい、そして「そりゃ交通量が減ったわけじゃないんだから交差点だけ変えても意味ないじゃん」と良く考えたらそうなるわなというダブルに悲しい結末を迎えてしまっている

なお、この原宿の交差点の渋滞のせいでテーマパークが一つ潰れるという事態まで起きている。知っている人は知っている、「横浜ドリームランド」だ。横浜ドリームランドは「昭和の興行師」と呼ばれた松尾國三率いる日本ドリーム観光が、「日本のディズニーランドを目指す」というスローガンのもとに1964年につくられた(ってwikipediaに書いてあった)日本のテーマパークの先駆け的存在である。

しかし、戸塚区にできたこのドリームランドには近くに駅が無く、大船駅か戸塚駅からバスで向かうしかないのだが、あの「原宿の交差点」があるおかげで、本来ならそのバスで15分ぐらいで着くはずがなんと1時間以上もかかったりするという異常な状態だった。本当はモノレールができるはずだったんだが、開通してすぐに安全上の問題が発生し、改善されないまま廃線となってしまい、結局陸の孤島状態が改善されぬままなんとかやってきたが、1983年になんと本物のディズニーランドができてしまうというネタみたいな展開の後、2002年にひっそりと閉園してしまった。

「ドリームランド、ちょっとドリーム過ぎたな」という事案である。

神奈川県町田市

これは割と県外の人も知っている話かもしれない。というか本来は東京都のネタになるか。皆さま当然ご存じのことと思うが、神奈川県町田市などという住所は存在しない。町田市は東京都だ。しかし、多くの人が神奈川県だと勘違いしてしまう。神奈川県民ですら、町田は神奈川だと思ってしまうことがある。

理由の一つはたぶん小田急線だろう。
小田急線は大きく分けると小田原-新宿、藤沢-新宿という二つの路線が存在するが、そのどちらも神奈川と東京を繋いでいることに変わりはない。すると当然、走っているエリアの変化としては

「神奈川 → 東京」

という風に変わっていくはずだが、実は

「神奈川 → 東京 → 神奈川」

と、神奈川を出たはずなのになぜかまた神奈川のエリアに戻ってくるという謎現象が起きる。それが、町田市のおかげで起きているのだ。こういうことである。

  • 相模大野(神奈川) - 町田(東京) - 玉川学園前(東京) - 鶴川(東京) - 柿生(神奈川) - 新百合ヶ丘(神奈川)

新宿方面の電車に乗っているので、そりゃ流れをみたら「こっから東京だな」というラインを意識することはあるわけで、そうすると「町田は神奈川だな(キリッ」と思うのも無理はない。






というのは、だいたいがこじつけである(ヲイ)

いや、まったく無関係ではないだろうが、町田を神奈川だと思ってしまう最大の原因はもっと別にある。実際に行ってみればわかる。町田の神奈川っぽさはハンパない。べつに栄えてないとかあか抜けてないとかそういうことが言いたいわけではない。同じ東京都でも23区外だったら栄えてない、のどかなところはいくらでもあるだろう。でも、町田のそれは調布のそれとはなんか違うのである

何かはわからない。ただ、とてもとても横浜っぽいにおいがする。駅構内に崎陽軒の店舗があったとしてもまるで違和感が無い。なんだろう、あの都会感がそれなりにありながら田舎っぽい空気がまざった神奈川の独特な空気が流れている、そんな感じがしてならない。

ちなみに、まったく同じ理由の逆バージョンで「川崎ってなんか東京っぽいよね」と言われて、川崎市民はちょっとだけ傷ついたりするのである。

それもまた、内輪で悲喜こもごもというガラパゴス県特有のものだろう。

まとめ

以上、神奈川県あるあるをあげてみた。
本当はもっともっとたくさんあるが長くなったのでまた別の機会に。

さて、こんな不思議な文化を持つガラパゴス県の神奈川だが、ここで言いたいのはもちろん神奈川をバカにしたいのではなく、「そういう不思議なところだから、みんな遊びに来るといいよ」っていうそれだけだったりする。

知ってるとなお面白いでしょ?


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