センターサークルのその向こう-サッカー小説-

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サッカーコラム

絶対に負けられない戦いを絶対に負けるフロンターレ。

応援していた川崎フロンターレがCS準決勝で敗北。

とうとう、一度もシャーレを掲げることなく風間体制が終わってしまった。

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ホームでさらに引き分け以上で良いという好条件にもかかわらず、1点が奪えず、0点におさえることもできずに敗北というのは、なんとも情けない結末だ。

1stステージ終盤のvsアビスパ、2ndステージ最終節、そして今回のCS準決勝。このどれか一つでも勝っておけば今のような結末にはならなかったというのに。それも、アビスパは最下位、2ndステージ最終節のガンバ戦は2点を先制、CS準決勝はホームの等々力開催に加えて引き分けでもOKという、これだけ有利な状況にあっても星を落とすというのは、もはや「絶対に負けられない戦いを絶対に負けるクラブ」だ・・・(アビスパには引き分けだけど)。

そういう意味では、「絶対に負けられない戦いを絶対に勝つ」の象徴であるアントラーズにあってフロンターレにないもの、というのが確実に存在するのだろう。昨日の鹿島の気迫あふれるプレーというのは、本当にすごかった。球際の強さ、諦めなさ、そして早さ。決してフロンターレのような「楽しいサッカー」ではないが、堅実で、基本をしっかり守り、どんなピンチでも最後の一歩の足が出てきて防いでしまう。

「これが"強い"ということだ」

そんなメッセージをフロンターレにぶつけているのかと思うほどに、鹿島の気迫はすごいものがあった。これが、常勝軍団、「勝つ」という伝統なのかもしれない。

フロンターレにはそれがなかった。勝ち切る何かが足りないのだが、それはフロンターレのあの危ういスタイルのせいなのか、それともプレッシャーがかかったときに真価がはっきできないメンタルなのか、それとも選手個々が球際で勝てないという選手能力の問題なのか(黄金期のバルセロナは決して球際に弱い選手たちではなかったのだし)。どれが問題なのかはわからないが、ペトロビッチ政権後にそれを引き継ぎ、サッカースタイルを継承しつつ「勝てるようにアレンジ」した森保監督のように、もしかするとフロンターレも来季、風間監督のもとで学んできた鬼木が監督になることで、優勝できるクラブになるのかもしれない。来年に期待しよう。(その前に天皇杯をとって、なんとか風間フロンターレにタイトルをとってほしいものだが)

さて、CSの行方であるが、ここはもうぜひ鹿島アントラーズに勝って優勝してもらいたい。

チャンピオンシップがいかにバカげたものであるかを証明するために。

チャンピオンシップ、2ステージ制なんて二度とやるべきじゃない。もちろん、Jリーグが財政的に厳しかったのは理解している。けれども、もともと1ステージ制でやっていたものを2ステージ制にしてプレーオフを導入するというのは、サッカー文化としては間違いなく退化だ。最強を決める戦いにおいてはトーナメント方式よりリーグ方式の方が優れているのは言うまでもないが、そのなかで「最も勝利したクラブ」が最強でない、チャンピオンではないというのがいかに愚かなことか。

それでも2ステージ制&プレーオフを採用するというのは「盛り上げどころをつくる」というメリットを見てるわけだが、それは裏を返せば「幼稚な見方しかできない」と言われているのと同じだ。

いや、それも否定しない。この国のサッカー文化とはまだそのレベルなのだろうし、だからJリーグは財政難に陥ったのだろうし。しかし、我々はサポーター、仲間でありながらJリーグにお金を落とす立派な「客」だ。その財政難のギリギリのところを支えてきたのは各クラブサポーターであり、本来ならば最も大切にされるべきパートナーだ。であるにも関わらず2ステージ制にするというのは、その「サッカーを見る目の肥えた層」を無視して、ライトな層にアプローチをしているということであり、つまり僕らはJリーグにバカにされている、軽視されていると言っても過言ではない。

ふざけんな。

僕は本当にそう思った。来年から無事1ステージ制に戻るわけだが、こんな愚行を二度とさせてはいけない。そのためには、



「トップと勝ち点15差あるクラブがチャンピオン」




という非常に愚かな記録をJリーグ史に残さなければいけない。だから、僕は鹿島を応援する。

ちなみに、もし今シーズンが1ステージ制だとフロンターレは2位になるわけだが、今季10試合以上をスタジアムで観戦しているサポーターの一人としては、それでもいい。だって、こうだもん。





  • 1stステージ:2位
  • 2ndステージ:2位
  • 年間順位:2位













川崎サポ「いや、もう2位で良いです」 「浦和さんと鹿島さんでCSやっていただいて、勝った方が1位、負けた方が3位で結構です」






僕ならこう言うわ。ほんと。


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